大切にしていた食器が割れてしまいました。
修復する方法を探したのですが、ホームセンターなどで手軽に購入できる合成接着剤は安全性が担保されておらず食器に使うには不向き。
一方で、伝統的な金継ぎは食器に使えるものの、値段が高く手が出ませんでした。
途方に暮れていたとき、偶然見つけたのがデフラグライフさんのブログです。
本記事では、デフラグライフさんのブログを参考に、食器の修復過程をご紹介します。
私と同様に食器を割ってしまって困っている方は、ぜひ参考にしてください。
割れた食器の修復に使用した道具と修復方法
割れたのは、購入まで3年悩み続けた小鹿田焼のお皿です。
購入してからは高頻度で使っており、とても重宝していました。
その日、体調が悪く夕食後は2階の自室で横になっていた私。
遅くに帰宅した旦那が食事を終えたあと、自発的に食器洗いをしてくれたのですが、茶碗を洗っているときに手を滑らせてシンクに下げていた小鹿田焼のお皿に直撃してしまったとのこと。
小鹿田焼についての詳しい内容は、こちらの記事に掲載しています。
陶器製の食器は割れるものですし、そもそも旦那もわざと割ったわけではないのですから、こうなってしまった以上はしかたありませんが、ずっと悩んでやっと手にしたお皿です。
とても愛着があり、「割れたなら捨ててしまおう」とはなかなか思えませんでした。
しかし、食器の修復で検索すると、出てくるのは食品に接触する部分には使用不可の接着剤ばかり。
もう小鹿田焼のお皿は使えないのかと焦りながら、来る日も来る日も検索していたところ、デフラグライフさんのブログを見つけます。
以下はデフラグライフさんのブログを参考に、実際に小鹿田焼のお皿を修復した過程となります。
使用したのはアメリカ製木工用接着剤「タイトボンド3」
木工用とあり、用途に陶器や瀬戸物などへの使用は含まれていませんが、割れた食器に使っても問題なく接着します。
とはいえ、食器に使う上で一番の懸念は安全性ですよね。
タイトボンド3は、FDA(アメリカ食品医薬品局)より、食品への間接的な接触(まな板等)使用について認可を得ている商品です。
アメリカでは、子どものおもちゃやベビー用の家具の修復などにも使われているそう。
日本では食品や医薬品、化粧品などは厚生労働省の許可を得ていないと販売ができませんが、FDAは日本でいうところの厚生労働省のような存在で、アメリカ合衆国保健福祉省配下の政府機関になります。
ひとつだけ懸念があるとすれば、メーカー側が「食器に使ってもよい」とは明記していない点です。
「食品への間接的な接触」に私は食器に盛った食材も含まれていると思っていますが、判断基準は人によって違うため、実際に割れた食器に使用する場合は、タイトボンド3についての解説や説明をよく読んだ上で、納得して使用するのが良いでしょう。
タイトボンド3で食器を修復する方法
タイトボンド3の正しい使い方は、溶液を設置面に塗ったあとにポイントがあります。
修復方法をステップにて解説します。
先端部分がはけのようになっており、本体をぎゅっと押すと溶液が出てきます。
(透明部分は蓋ではないので外さないでください。保管はこのままで行います。)
溶液はさらさらとしているので、垂れた液が付かないように塗布は下に紙などを敷いて行います。
溶液は割れた食器の双方に塗り、8分待ってから貼り合わせます。
塗ったときは水っぽい溶液が、時間を空けることで粘着性が出て貼り合わせやすくなります。
タイトボンド3は触っても大丈夫なので素手で作業が行え、手についたボンドは水で簡単に洗い流せます。
固まった溶液をつまようじでカリカリすると、簡単に剥がれます。
このとき、剥がせない部分は無理する必要はありません。
裏面もはみ出した溶液を取り除きましょう。
割れた食器部分を接着させた状態で、そのまま1日置きます。
固まった溶液は、メラミンスポンジでこするか、爪でひっかけるとポロっととれます。
割れた小鹿田焼のお皿が復元できました
タイトボンド3で貼り合わせた小鹿田焼のお皿を、正面から見てみました。
割れた部分がまったくわからないわけではないものの、また使えるようになって喜びもひとしおです。
割れた箇所がお皿の上部だったので、食材の盛り付け方によっては接触せずに使えそうです。
どうしても気になる場合は、クッキングシートなどを敷いて、食材と設置部分が直接触れないようにすれば安心かなと思います。
小どんぶりも修復してみた
実は、旦那が小鹿田焼のお皿を割った後日、今度は小どんぶりも割ってしまいました。
この日は私が洗っており、食器棚に片づける前に電話が来たので話していたら、キッチンに飲み物を取りに来た旦那がついでにしまってあげようと持ったところ、手が滑ってしまったようです。
旦那はたびたび食器洗いや後片付けをしてくれますが、立て続けに食器を割ったのはこのときが初めてで、さすがに落ち込んでいました。
先に小鹿田焼のお皿が割れて修復方法を探していた私は、小どんぶりも一緒に修復することにしました。
小どんぶりに同じ小どんぶりが直撃したので、同じ2つの小どんぶりが割れてしまっています。
水を入れても水は一切漏れませんでした。
しかし、割れた部分は指で触ると段差がはっきりとわかる状態で、見た目もいまいちです。
最初は、漆と金粉で本格的な金継ぎをしてみようかと思ったのですが、以前に漆に負けてアレルギーを発症した人を身近で見たことがあり、漆を扱うのは怖かったのと、金継ぎができる道具を揃えると1万円を超えてしまうため、値段が高くて無理でした。
デフラグライフさんのブログには、高い金継ぎ道具を買わなくても、金継ぎ風に修復できる方法も掲載されており、具体的にはペベオのゴールドライナーという商品を使っています。
ACMI(アメリカの画材協会)が認定しているAPマークを取得しており、人の健康において一定の基準の安全性が認められているので食器も使える絵具となっているので、タイトボンド3+ペベオのゴールドライナーで比較的安全に金継ぎ風の修復ができるというわけですね。
食器に使える接着剤と、食器に使っても安全性の高い接着剤は違う
「食器 破損 修復」などで検索すると、樹脂系合成接着剤を使用した簡単で手軽な修復方法が出てきます。
しかし、よく読んでみると、食器に使えるのは飲食物や口などに直接触れない部分と書いてあります。
マグカップの取っ手とかなら問題はなさそうですが、今回のような場所では使用はNGです。
もちろん、タイトボンド3やペベオのゴールドライナーも100%安全とはいえませんが、有害性や有毒性が認められている商品を使うよりはるかに安全性が高いといえます。
現状では、漆を使った金継ぎ以外の食器の修復方法においては、安全性がある程度担保されたベストな選択ではないかと思っています。
まとめ
- FDA認可で安全性が高いタイトボンド3を使う
- 金継ぎのような装飾をするならペベオのゴールドライナーがおすすめ
食器を2つ3つ修復するために、わざわざタイトボンド3を買うのもなぁと思っていましたが、実際に使ってみたところ、とにかくしっかりと接着するし、水に濡らしてもレンジで使っても大丈夫なのは優秀です。
上から塗装もでき、紫外線にも強いので屋外でも使えるため、現状で最強の接着剤ともいわれており、普段からDIYなど木工作業をする人にとてもおすすめです。
大事にしていた小鹿田焼のお皿が割れたのは本当に残念ですが、壊れたから捨てるのではなく、どうにか直して使いたいと思い、安心・安全にできる修復方法が見つかってよかったです。
戻ってきてくれた小鹿田焼のお皿を、これからも大事に大事に使っていきます。
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