2021年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「推し活」
今や、若い世代だけではなく、いくつになっても気軽に始められる趣味として捉えられていますよね。
特に、子育てが落ち着いてくるアラフォーアラフィフ世代に推し活がおすすめと、テレビや雑誌で特集が組まれているのをよく見ます。
私自身、30代半ばのアラフォーにさしかかるタイミングで推し活を始めて、今はどっぷりアラフィフ世代。
推し活始めてよかったですか?と聞かれたら、よかったです!と全力でお答えしたい。
とはいえ、今現在のように穏やかに推し活を楽しめるようになるまでに、実は紆余曲折ありました。
そこで、推し活のいい面だけじゃなくしんどい面も詳らかにしながら、私が今、楽しく推し活ができているコツを自身の経験をまじえてお伝えしていきます。
- 推し活はなにが楽しいのか知りたい
- 推し活にハマりすぎないコツが知りたい
推し活とは
熱狂的なアイドルのオタクがアイドルの布教も兼ねた応援活動をすること、という意味があります。
オタクの人が応援しているアイドルを「推し」と呼んでいたため、略して推し活といったのが始まり。
ちなみに、私たちが存在する3次元、つまり現実世界に生きる人だけではなく、アニメや漫画などの2次元、最近はアニメなどの2次元の世界を、3次元に投影または演じることで形成される2.5次元にも推しは存在します。
ファンと推しの違い
ファンと推しは広義的には、どちらも応援している対象がいて好んでいる状態を指し、同じような意味で使われています。
しかし、ニュアンス的には次のような違いがあるのではないかなと思います。
ファン | 推し |
自分が好きなら満足 | 周囲にも良さを伝えたい |
対象は基本的に全体 | 対象は基本的に個 |
自分の立場を指す言葉 | 相手を指す言葉 |
ファンと推しの区別は難しいところもありますが、熱量がより大きいの推しという受け取り方をしている人が多いですね。
推しの対象は人とは限らない
推しはアイドルオタクが誕生させた言葉ですが、現在はアイドルだけではなく、様々な人に向けて使われています。
たとえば、
- 俳優
- スポーツ選手
- アーティスト
- 声優
- YouTuber
- お笑い芸人
- 歴史上の人物
など
これらは実在する(した)人ですが、実在しない人も推しの対象になります。
- アニメや漫画、ゲームのキャラクター
- VTuber
- マスコットキャラクター
など
さらに、対象は人以外にも。
- 建物
- 鉄道
- 動物
- 仏像
- 刀剣
- 廃墟
など
私は中学生くらいのときから建造物が好きだったのですが、当時は「建造物マニア」って呼ばれてあまりいい印象がなかったんですよね。
その点、「推し活」って元気になる感じがする気がします。
推し活は更年期を救う!アラフォーアラフィフに推し活がおすすめの理由
私の現推しはKPOPアイドルのSEVENTEEN。
SEVENTEENの推し歴は6年目ですが、KPOP歴は15年目に突入しており、歴代の推しがいます。
私が推し活を始めたのは、子どもが幼稚園に入園したタイミング。
それまでずっとつきっきりだったのが、ひとりの時間が持てるようになり、自由な時間に見ていたYouTubeがきっかけでした。
人生で初めてアイドルを好きになり、ファンクラブに入会し、コンサートに行くためにひとり東京までひとっとび。
そんな毎日が自分にやってくるとは思っていませんでしたが、推し活を始めてよかったことはほかにもいっぱいあります。
毎日楽しい
KPOPは音楽市場が日本のように大きくないため、より多くの人に存在を知ってもらう目的で早くからYouTubeやサブスクでMVなどが解禁されていました。
私の場合、推しのSEVENTEENがデビューしてから3年ほど過ぎてからファンになっているので、デビュー前の練習生時代の動画からデビュー後のMVの数々、MVそれぞれの撮影風景やパフォーマンスの練習動画など、すでに無数のコンテンツがYouTubeにありました。
過去の動画を見漁って朝を迎えちゃった、なんてことはKPOPペン(韓国語でファンの意味)あるあるなんです。
推したてのころは、現在の供給に追いつくまでに毎日毎日動画を見ていたのですが、これがめちゃめちゃ楽しくて!寝る前に動画を見てすごすのが日課になりました。
それまで、家事(妻)と育児(母)しかなかった時間に、趣味(私)が追加されたことにより、なんとなく自分らしさを取り戻せたような気持ちにもなりましたね。
落ちこんでも立ち直りが早くなる
ちょっとした悩みがあっても、推しを見ている時間はその悩みを忘れられます。
心理学的にもストレスの元凶から離れたり、考えないようにするのはいいみたいですね。
とはいっても、ストレスの元を忘れるのってなかなか難しいのではないでしょうか。
でも、推しがいればyoutubeを見る、雑誌を読むなどストレス以外に意識を向けやすくなります。
推しに夢中になって悩みを忘れていたことに気づくと、「そこまで深刻に悩んでいるわけじゃないんだな」と自分を客観視できます。(本当に悩みが深刻なら推しの存在すら目に入らないので)
そのうち、悩んでいること自体が無意味に思えてきて、「ま、いっか」と流せるようになったらまさに一石二鳥です。
前向きになる
コンサートやイベントに向けて、ダイエットや美容を頑張ろうと思ったり、仕事が辛くても「これが終わったら推しに会える!」と力が沸いてきます。
KPOP界隈の仲間には、語学の勉強を始めた人もいます。
K-POPアイドルは日本でコンサートを開催しますが、やはり本場・韓国は熱気が違いますし、ファンサービスも日本のとは異なります。
私の推し活仲間も年齢を問わず、韓国のコンサートに参戦している人が多いですし、コンサート関係なく、推しの生まれ育った国を体感したいと思う人が多数。
また、ファンと直接やりとりができるツールでは韓国語を使うため、覚えておくと推しと会話ができてしまうことも。
韓国語教室には複数のグループで講義を受けるところもありますが、短期間でスキルアップするなら個別レッスンがおすすめです。
日本人スタッフがいればサポート体制も万全ですよね。
まずは無料体験レッスンを受けて、教室や先生の雰囲気を体感してみましょう。
私自身はWebライターという仕事柄、いつかKPOP関連の記事を作成してみたいと夢を持つようになり、あるメディアでその願いを叶えられました。
あと、毎日の生活のなかでも推しが力をくれてるなって思うことが多いですね。
主婦の私は面倒だなと思う家事の時間に推しの曲を流して「よしやるぞ!」って気合を入れています。
全国に仲間ができる
SNSを通じて遠方に住む仲間と気軽に繋がれたり、なかには海外の人と交流を深めている人もいます。
周囲にKPOPを好きな人がいなく、リアルな友達にはなにひとつ話せなくても、SNS上にいつでも推しの魅力を存分に語り合える仲間がいれば、孤独を感じることなく推し活ができます。
ランダムトレカで引き当てたメンバーを推している仲間がいたら、自分の推しと郵送でトレカ交換することも。
そのときに、トレカだけじゃなく地元のお土産やちょっとしたお菓子などを添えて送り合うので、食べたことがないお菓子や名産が送られてきたります。
体調が良くなる
私が推し活を始めたころは、プチ更年期のような症状が出始めた時期。
年々、症状は重く、多様になってきていますが、推し活が良い気分転換になり、「更年期ってなにするにもしんどくて無気力なるほどつらいもの」と想像していたよりかは、それなりに楽しくすごせています。
推し仲間には同年代が多く、それぞれ更年期に悩まされていますが、毎日起き上がれないほど重い更年期という人はいません。
むしろ、推しのいない友達から、「アクティブで元気だね」といわれることが多いといっていました。
「推し活は更年期を救う」を、実感している人は多いですね。
推し活はしんどいこともある?
好きで始めたはずの推し活が、気が付いたらなんだかあれれ、楽しくない・・・?
推しがいる人の70%が経験しているといわれているのが「推し疲れ」です。
私も経験者のひとりとして、一時期は推したのを後悔してしまうほど思い詰めてしまったことも。
そんな推し疲れは、どうして起こってしまうのでしょうか。
義務感が出てくる
日々供給される推しの情報。
推し始めたころは、「毎日なにかしら新しいことがあって楽しい!嬉しい!」くらいのテンションですが、推し歴が長くなるにつれ、情報の多さにちょっとずつついていけなくなります。
お知らせにはグッズや雑誌の販売などもあり、公式のTwitterに多くの「買います!」リプライが付いていると、本棚の場所もないしもう雑誌は買わないでおこうと決めていたのに、買わないのはファンじゃない?と思ってしまったり・・。
また、推し活仲間から「〇〇見た?」と連絡がきて、「忙しくてまだ見てない」と返すと、「愛が足りないな~!せっかく推しが準備してくれたんだから、はい、今すぐ見てきて!」なんていわれて、本人には悪気がないとわかっているけどちょっと落ちこんだり・・。
好きじゃなくなったわけではなく、ただ単に家庭や仕事が忙しくて推し活する時間の余裕がないだけ、なんですけどね。
あれだけ楽しかったはずの推し活が、なんだか面倒に思えてしまうのです。
SNSで繰り広げられるマウント合戦に憔悴
個別握手会の当選券やランダムから推しを引き当てるためにグッズやCDを大量に積む人は、SNSがここまで普及する以前からいたとは思いますが、SNSによってそのような人の行動が可視化されたことで、「本物のファンはこれくらい積むものだ」という暗黙の了解というか、同調圧力というか、マウントをとりたがる人がいるのが現状です。
あとは、古参vs新規の対立とか。
推しがプチ炎上したときに巻き起こる、ファンはこうあるべき論と人それぞれ自由だ論など・・。
同じ推しを推しているはずの界隈にも関わらず、不毛な争いは絶え間なく起こっています。
特にKPOPアイドルはSNSを多用した広報、宣伝活動が多いので、SNSから離れるわけにもいかず、自分は無関係であっても争いが目に入ってきて、だんだんと嫌気が出てしまいます。
推しを推している自分に疑問が沸く
アイドルとて人間です。時には間違えた発言をしてしまったり、誤った行動をとることもあります。
しかし、その過ちを許せるか許せないかはファンそれぞれで違います。
私の場合、アイドルだって恋したっていい派ですが、匂わせはダメだと思っています。
ディスパッチ(韓国版の文春みたいなの)に私生活をつけ回されて写真撮られちゃうのはいくら公人(アイドル)とはいえかわいそうと思いますが、自ら恋人とお揃いの服やバックを公でアピールしたり、恋人がSNSでアピールしているのを自制させない推しに萎えてしまうタイプ。
あとは、人として優しくない言動をしたときにも幻滅してしまいます。
「最初に見えていたファン想いの推しってもしかして幻だった!?」
そんなふうに思い始め、そこからだんだんとこっちのほうが本性なのでは?と気づいてしまうと、「この人を推してる私、大丈夫?」の自問自答から負のループに陥り、推しているのがつらくなります。
地方在住は不利
アイドルのイベントは東京が中心です。東京のほかにもう1ヵ所あるなら大阪。
KPOPアイドルの場合はそれが特に顕著で、かれこれ14年推している私ですが「今回のイベントは札幌で開催します!」ということは過去に1回もありませんでした。
イベントを楽しんでいるファンの様子がTwitterに流れてくると、なんで私はここにいないんだろうって落ちこんだりしていました。
そればかりか、全国を回るツアーで北海道はたいがい弾かれます。
札幌ドームはコンサートの集客力が弱いっていうのは理解していますが・・。
毎度毎度、ツアーに札幌の名前が当たり前にないとさすがに萎えますよね~・・。
というわけで、私が推しに会うには北海道からの遠征が必須になります。
東京でコンサートがあるとチケット代だけではなく交通費(飛行機)や宿泊費が必要。
そして、苦労してなんとかコンサート会場に辿り着いて、引き当てた席が天井だったときは涙が出そうになりました。
【推し活歴14年目】推し活はこうやって楽しむ!
推しの突然の結婚発表やファン同士のいざこざなど、長くKPOPアイドルを推していると、それなりに色々ありました。
人生初のアイドルオタクは自分には向いていなかったと気づき、もうKPOPは卒業、推し活も引退しようと思っていたところに落ちてしまったのが、人生最後で最高の推し(予定)のSEVENTEEN。
落ちそう、と思った当初はやっぱり怖くて(そして今さら面倒で)あえて情報をシャットアウトしたり、違うことに関心を向けてみたりしましたが・・
SEVENTEEN最推しを公言している私は今、穏やかでしあわせな推し活をしています。
それが可能なのは、SEVENTEENが本当にファンに対して誠実というのもありますが、それだけではなく、長きに渡る推し活の経験が今になっていかされているからとも思います。
推し活は推しのためじゃなく、自分が楽しむためにすること
推しはいくら私がお金をかけて時間をかけて手間暇かけて応援しても、私という存在を知りません。
悲しいけれど、それが現実。
でもどっぷりハマっていると、そんなことすら頭から消えてしまいます。
「CD積まなきゃ」とか「グッズは全部買わなきゃ」とか、そういうことを思い始めたら、一度立ち止まってみてください。
そもそも、推し活に義務なんて感じなくていいんです。
推しが四六時中監視していて、「はい、もっとCD積めるよー」「雑誌出るから買ってねー。ひとり3冊くらい買ってくれないと、次はもう声かからないかもよー」とはっぱをかけてくるわけではないんですからね。(そんな推しは嫌だ)
子どもが大きくなれば教育費がかかるし、友人とご飯食べに行ったりする時間も大切にしたいじゃないですか。
家事育児の合間に働いたお金、ぜんぶ推しにつぎ込む必要なんてないんです。
私の人生は私が楽しませてあげなきゃ。
もちろん、CD積んだりするのがこれ以上ないくらいのしあわせなら、ぜんぜんいいと思うんです。
だってそれは自分のためにしていることですからね。
積みマウントをしてくる人に落ちこんでしまう人は、この人が稼いだお金をたくさん積んでくれるから、推しは活動を続けられるのよね。「今日も私の推し(と推し活)のためにありがたや~」くらいに思っていると気がめっちゃ楽です!
SNSは情報を得る場と割り切る
推し疲れしている人は、1日中SNSを見ている人に多い気がします。
私自身、もう無理やめると思い詰めていたときは、SNSを見ている時間が長かったです。
今は、自分が必要とする情報を取りに行くときにしか見ません。
以前まではリアタイで情報が取れないと焦りを感じていましたが、公式からお知らせがきても忙しければ後回し。
そのくらいのテンポ感でいても、これまで困ったことはありません。
推しの情報は一早く知らなければファンじゃないなんて思っていた自分が、自分を苦しめていたんだなって思います。
SNSには色々な人がいます。
そして、SNSは基本的には自分の意見を自由に投稿できる場所でもあります。
SNSの投稿に傷ついていたとき、私は自分と価値観の違いがある人の意見を、わざわざ自ら出向いて見に行き、凹んでいました。
土砂降りの雨のなか、わざわざ外に出ますか?出ませんよね?SNSもそれと同じです。
雨風が猛威を振るっているときは出向かずに、あたたかい部屋でホットココアでも飲んでくつろいでいましょう。
推し疲れも含めての推し活を楽しむ
ガチ恋勢じゃなくても、誰かを好きになった以上、そこに特別な感情が沸き上がって必要以上に一喜一憂してしまうのは当然のこと。
それは、ほかの人とは一線を画する「推し」だからこそ芽生える感情なんですよね。
アラフォー世代にもなって、そんなふうに心を惑わす自分が嫌だなと思った時期、私にもありました。
だけど、そんな濃い時間が過ぎさってしまった今は、あの激情的な心の揺れが懐かしくも思ったり・・。
現実の世界ではダメ男に捕まったら大変ですが、推しのダメな部分を愛でる分には実害はない(はず)。
特に男性KPOPアイドルは活動期間に制限があるので、推し疲れを気にしすぎずに「それも含めて楽しもう」と早めに切り替えられることも大事かなって思います。
まとめ
- 推し活は自分の人生を楽しくするためのコンテンツ。嫌だな、無理だなと思ったら適度な距離をとることが大事
- お金をたっぷりかけなくても推し活はできる
人生で、ダイナミックに感情が動くことってなかなかありません。
ましてや、年齢を重ねるとなおさら。
家族以外に大切に思える人がいる世界って、とてもしあわせであったかいんじゃないかなって私は思います。
それでも推し活がいきすぎてしまっていると感じたときは、「最愛の推しは娘」を忘れずに、私は立ち止まるようにしています。
この記事を読んで、推し活を始めてみたいけれど未知の世界すぎてちょっと怖い・・。
そう思っている人が、「楽しそうかもしれない」と思ってくれたら嬉しいです。
そして、今、推し活でストレスや悩みを抱えている人が、「こんな考え方もあるんだ」と気持ちの切り替えになったら幸いです。
50代になって毎日することがないと悩んでいる方、趣味を見つけてみませんか?
多趣味の私が50代から始められる趣味をご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ブログを読んでくださりありがとうございます。
バナーを押すと、ブログ村の「IN」のランキングに1票が入る仕組みになっています。
応援クリックしていただけると励みになります。
にほんブログ村
にほんブログ村
コメント