2013年に刊行され、国内300万部を突破した「嫌われる勇気」。
ビジネス書というジャンルのため、主婦にはとっつきにくいのではと感じる人が少なくありませんが、アドラー心理学を基に哲学者と青年の対話形式で進む物語を読み進めると、夫婦間のイライラ、親とのいざこざ、子育ての悩み、友人との確執などあらゆる対人関係のトラブルの改善に繋がる内容が書かれています。
旦那との間にシベリア寒気団並みの冷たい空気が張り詰めていた私も、本を読んでから少しずつ雪解けを迎えているのを実感しています。(まだ春は遠いですが・・)
アドラー心理学を生活に落とし込み、夫婦関係を改善した経験談をお伝えします。
アドラー心理学「課題の分離」とは

フロイト、ユングに並ぶ心理学界の世界三大巨匠のひとりであるアルフレッド・アドラーは、「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」と説いていて、対人関係を改善するための思考法を提唱しています。
その中のひとつが課題の分離(※)です。
課題の分離とは、問題に対して「誰の課題なのか」「その課題の責任を負うのは誰なのか」という点を明確にした上で、
「自分の課題に他者を介入させない」
「他者の課題に首を突っ込まない」
という理論で対人関係を見直していくものになります。
自分の課題は他者にどう思われるかを気にすることなく、問題に対してどう行動するかを自分の意思で決めることができ、一方で他者の課題には口を出したり、ましてや思い通りにならないからと怒ることはできません。
(※)「課題の分離」という言葉自体はアドラーが提唱したものではなく、弟子のメソッドを日本語訳にしたものとされます。
夫婦喧嘩に見る課題の分離の例
いきなり妻が不機嫌になり、夫は機嫌をとろうと声をかけたり気分転換に誘ったりしましたが、それでも妻は機嫌が直りません。
そのうち夫もイライラし始め、結局2人はその日一日口をきかなかった・・。
このような夫婦喧嘩、私も過去に何度も経験がありました。
妻の不機嫌の理由が夫にある場合、夫がもっと気を遣うべきではないかと長年私は思い続けてきましたが、これを課題の分離に当てはめると、妻の機嫌をとるのは妻自身、つまり私自身の課題になります。
「私を不機嫌にしたのだから夫が機嫌をとるべき」と考えるのは、自分の課題を他者に背負わせていることになります。
同時に、夫が妻の機嫌をとるのは他者の課題に口を出していることになります。
夫の課題は他者の課題を自分の課題のように背負わないことなのです。
他者の課題を自分の課題のように感じて背負ってしまうと、背負った側は生きづらさやしんどさを感じるようになり、結局は相手との関係も悪化してしまいます。
自分と他者の課題を明確にし、それぞれが自分の課題に取り組むことで対人関係を改善するのが課題の分離の目的です。
とはいえ、課題の分離は夫婦間や親子間といった濃い人間関係において、自分は自分、他人は他人と切り離すような寂しさを感じさせますよね。
そこでキーポイントとなるのが、「アイ・メッセージ」と「共同の課題」です。
コツ①課題の分離を生かす「アイ・メッセージ」

アイは「I(私)」の意味で、アイ・メッセージとは相手との会話を「私」を主語にして行うこと。
たとえば、夫が脱ぎ散らかした靴下が原因で不機嫌になっていた妻が、「(あなたが)片付けてよ!」というのは脱ぎ散らかした夫(you)が主語になっていますよね。
これを、「靴下が落ちていて私はガッカリしてしまった」とか「脱いだ靴下は洗濯かごに入れてくれると私は嬉しい」と伝えるのがアイ・メッセージになります。
アイ・メッセージは相手がとった行動を責めるような言い方をせず、ただ事実を伝え、それに対して私がどう感じたのかを言葉にしているため、感情的な衝突が避けられやすくなります。
「片付けてよ!」といわれるよりも、「脱いだ靴下は洗濯かごに入れてくれると私は嬉しい」といわれたほうが、相手も言葉を聞き入れやすくなりますよね。
アイ・メッセージを受け取ってどうするかは相手の課題
「脱いだ靴下は洗濯かごに入れてくれると私は嬉しい」とアイ・メッセージを伝えても、夫は靴下をそのまま放置するかもしれません。
悪かったなと思い、洗濯かごに入れてくれるかもしれません。
どうするかは相手の課題になります。
コツ②共同の課題を設定する

課題の分離には自分の課題と他者の課題のほかにもうひとつ、共同の課題があります。
共同の課題とは、自分だけでは解決できない課題に対して、他者に助けを依頼して一緒に課題を解決すること。
たとえば、靴下を脱ぎ捨てる夫の課題を脱ぎ捨てない方向で夫が解決したいとき、夫から妻に「どうすればいいだろうか?」と相談(依頼)があり、妻がそれを「一緒に考えよう」と承諾することで成立します。
脱ぎ捨てる場所に洗濯かごを常備する、帰宅後すぐに洗濯かごに直行して靴下を脱ぐ習慣をつける、靴下を脱ぎ捨てたその場で指摘して洗濯かごまで持っていかせる、など、妻の提案を夫が実行することで解決につながる可能性があります。
ただし、靴下を脱ぎ捨てる夫への不満を解消したい妻(他者)が共同課題にしようと依頼をする場合は、夫の承諾が必要になります。
自分で解決するから放っておいてといわれたら、口出しはできません。
課題の分離を活用した夫婦関係改善の具体例

以下は実際に私と旦那の間で起こったトラブルを元に、課題の分離と解決例について書いています。
旦那は「何時に帰る」という連絡を面倒と思うタイプで、帰宅時間はいつも読めません。
夜ご飯の時間になり、子どもと「もう少しで帰ってくるかも」とギリギリまで待っても帰ってこなく、食卓に座って食べ始めたときに帰って来られると、正直ものすっっっっごくイライラします。
これを「誰の課題なのか」「その課題の責任を負うのは誰なのか」という視点で見てみると、
- 帰宅時間を連絡する・しないを決めるのは旦那の課題
- 旦那が帰宅時間を連絡しないことにイライラする・しないを決めるのは私の課題
であるとわかりました。
帰宅時間がわからずにイライラするという自分の課題が見えた私は、イライラしない方法を考えればよいので、子どもと先に夜ご飯を済ませてしまうことにしました。
旦那を待たないで食べると決めたら、お腹が空いている中、いつくるかわからない連絡を待つストレスもないし、温かい料理を温かいうちに食べられるようになり、以前ほどイライラがなくなりました。
とはいえ、食べている途中で旦那が帰宅すると支度の手間が煩わしい・・。
そこで、休日に家族揃って食事ができるタイミングで、「食事の支度を一度で済ませられて私は楽だったよ、ありがとう」とアイ・メッセージを伝えてみたところ、平日も私たちが夜ご飯を食べ始める時間に間に合うように急いで帰ってくることが増えました。
旦那にとってはどうしても連絡することに壁があるようなので、連絡をしてほしいという望みは捨て、これ以上は期待しないでよしと思っています。
義母に「何時に行く」と連絡しない旦那
旦那は帰宅時間を私に伝えないだけではなく、義実家へ遊びに行くときも何時に行くと義母に伝えません。
義実家に到着しても義母がいなかったり、「え、来るんだったの?」と驚いた顔をしていたりするのでおかしいと思ったんですよね。
旦那には義母にちゃんと連絡をすべきだと伝えましたが、いつもいい返事はしません。
このときの旦那の課題は、訪問前に義母に連絡をするかどうか。
対して私の課題は、義母に「いきなり来るなんて迷惑な嫁」と思われていなかったか不安なこと。
私は自分の課題を解決すればいいので、これまでの無礼については「旦那くんに連絡してから行こうって再三いっていたんですけど、していなかったみたいでえ~」と、私のせいじゃないと伝えて解決しました。
旦那に時間の連絡がなぜそんなに難しいことか尋ねても、本人もどうしてここまで億劫なのかわからず、自分が連絡をするという解決方法が見いだせないようだったので、共同課題にして義実家へ行く時の連絡を旦那任せにせず、私が義母の個人ラインに連絡をすることにしました。
連絡があると動きやすい義母の様子を見て、旦那もたびたびは連絡するようになりました。
ちなみに、旦那の名誉のために補足しておきますが、仕事では時間を含めたホウレンソウはきっちりタイプです。
プライベートは時間の概念に縛られるのが嫌なようですね。
まとめ
私が不機嫌なのは旦那のせいだと思っていたときは、夫婦関係は最悪に冷え込んでいました。
今は適切な心の距離が保てるようになったと思っています。
「嫌われる勇気」以外にも、夫婦関係改善のヒントとなった本はたくさんあります。
夫の思考が知りたい人はこちらの記事も併せてお読みください⇩
▷「旦那と話すとイライラする」を解決する方法はある?夫婦で会話がかみ合わない理由とは?
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