【体験談】白黒思考をやめたい!抜け出すためにやっていること

全面白のオセロ

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物事を考えるとき、「白か黒か」「0か100か」が当たり前でした。

「こうであるべき」という自分の理想が高く、少しでも足りないと自分を責めてしまう。

生きづらさを抱えて親となり、子どもにも白黒思考で接している自分に気づきました。

そこから、どう自分を変えていったのか。

同じように悩む方に、なにかの参考になれば幸いです。



もくじ

白黒思考とは?

白黒思考や0‐100思考は、心理学的には「二分法的思考」「二極化思考」と呼ばれ、認知の歪みのひとつです。

白黒思考は心理学的に「曖昧さ耐性に欠けた」状態といえ、不明瞭で不確実な状況に強いストレスを感じやすくなります。

とはいえ、白黒つけたくなる心理はどんな人にもあるもので、白黒思考自体がよいとか悪いと決められるわけではありません。

白黒思考の人は決断力が早くなる、裏表がなく人から信用されやすいなどのメリットもあります。

問題なのは、白黒思考によって生きづらさや人間関係でトラブルを抱えてしまうこと。

白黒思考、0‐100思考といっても、人それぞれグラデーションがあるので、ここでは私の一例を紹介します。

結論を急ぐ

白黒思考の人は、恋愛において「私と〇〇、どっちが大事なの?」と考えやすく、実際に相手に詰め寄ってしまうのだとか。

私の場合は、相手に「私と仕事、どっちが大事なの?」とは聞きませんでしたが、その代わりに恋人から連絡がなくなると、自ら別れを切り出していました。

相手から「会う時間を調整するから別れるのは待ってほしい」とか「悪いところがあったら直す」といわれても、撤回することはありませんでした。

連絡がないのは仕事が忙しいのか、それとも単に面倒で放置したのか。

本来ならまずはその話し合いがあって、理由によって別れを考え始めてもいいのに、白黒思考の私は早く結論を出してすっきりしたくなっていました。

モヤモヤとしたどっちつかずの状態に身を置くことに、強い不安感や拒絶があります。

ある意味で、「私と仕事のどっちが大事なの?」と詰め寄る人よりも質が悪いといえます。

完璧主義

私は小学校から高校生まで、とある運動部に所属していました。

全力を注いで練習に励んでいたこともあって、自信も持っていましたが、ある大会であまり実力が出せなかったことがありました。

それでも個人表彰が決まって、表彰台に上がることに。

失敗した自分が表彰されることに納得がいかなかった私は、首からかけられたメダルをその場ですぐに剥ぎ取るようにして外して表彰台をおりました。

こんな自分が表彰されて恥ずかしい、他の選手に申し訳ないとさえ思っていました。

自分に厳しいという見方もできるものの、振り返って考えると、私の態度こそ大会運営の方々や選手たちにとても失礼な行動ですよね。

でも、当時の私にとってはそれが「正義」で、80点や90点で満足してはいけないと思っていました。

融通が効かない

一度決めたことを止められないのも、白黒思考の人に多い行動パターンなのだそう。

私の場合、部屋の模様替えがそれで、やると決めたら細々とした書類の分類から始めてしまうため、朝からとりかかって夜になっても終わりません。

翌日に学校や仕事に支障が出るとわかっているのに、「残りはまた明日やろう」と思えませんでした。

部屋の模様替えは翌日持ち越し禁止という法律があるわけでも、誰かに「必ず一日でやりなさい」といわれたわけでもないのに、なぜか今日中にやり遂げなければいけないと自分に課していました。

そして、何度か繰り返していくうちに、「一日で完璧にできないなら、最初からやらないほうがいい」とこれまた極端な考えに陥り、今度は汚部屋の住人となりました。

白黒思考は「やめる」のではなく「ゆるめる」

白黒はっきりつける、0か100かという極端な物の見方は、一度答えが出てしまえばそれ以上考える必要がなかったので、頭の中で常に考え事をしている私にとって、最初は楽な生き方だったのだと思います。

しかし、2択しかない生き方は次第に自分を縛り付け、生きづらさとなって重くのしかかるようになりました。

かといって、白黒つけたがる性格を今日からやめますと決めたところで、長年で沁みついた思考の癖は簡単には抜けません。

やめなければと思えば思うほど、自分を追い詰めてしまったことがあるので、今は「ちょっとずつ抜け出す」という意識を持っています。

私が実践している方法をステップで紹介します。

STEP
自分が白黒思考であると気づく

白黒思考に悩んでいるのだから、これって当たり前なのでは?と思いますが…。

私自身、最初はどうしても自分は間違っていないと思いたかったので、自分が白黒思考だから自分を苦しめているという事実に向き合うのが怖かったです。

自分が白黒思考か判断するひとつの方法としては、日記やメモに「こんなことがあって、こう思った」ということを書き残してみてください。

「~すべき」「~しなければならない」「絶対に~だ」「~に決まっている」「いつも~だ」など、断定する言葉がある場合は白黒思考に陥っていると判断できます。

日記やメモ書きを1~2ヵ月続けていくと、自分がどんなときに特に白黒思考になりやすいかわかってきます。

STEP
言葉を置き換えてみる

白黒思考の人は、曖昧な言葉に苦手意識がありますよね。

「たぶん」とか「おそらく」とか「大丈夫だと思う」とか、聞くと「ぐぬぬ…」となりません?

でも、この曖昧な言葉を自分の中に受け入れられるようになると、ぐっと楽になります。

「絶対間違っている」を「たぶん間違っている」「嫌いに決まっている」を「嫌いかもしれない」、「いつもそうだ」を「今はそうなのかも」に変えてみてください。

言葉を変えたからといって、自分の気持ちを「絶対間違っている」から「たぶん間違っている」に無理に変える必要はありません。

最初は作業としてこなすだけでOKです。

STEP
グレーゾーンを見える化する

白黒思考を抜け出すには、グレーゾーンを知ることが大事です。

でも、白黒思考しかしてきていないと、グレーゾーンってなに?って思いますよね。

グレーゾーンとは、自分の白または黒以外の考え方や価値観です。

ステップ②の「たぶん」や「おそらく」がグレーゾーンに該当します。

たとえば、体調が悪くて夕食の食器洗いをせずに寝てしまったとします。

白黒思考の強かった私なら、翌日に食器が綺麗に洗われて棚に片付けられているのを期待してしまうため、洗われずに放置されていたら、「私を大切に思っていない」「家事は主婦がやるものと思い込んでいる」と怒りが沸いてきたでしょう。

ここにグレーゾーンがあると、こんな感じになります。

グレーゾーン


白黒思考のときは、グレーゾーンの選択肢(思考)はありません。

でも、実際にそう思えるかどうかは別として、「やろうと思っていたけど、疲れていたのかも」そう思えるだけで、MAXだった怒りは少しだけ下がるような気がしませんか?

自分から「今日は体調悪いから、食器洗ってくれないかな」と頼んでいたら、「食器洗いは主婦の仕事だと思ってない?はい、家族会議!」といえたら、もっと収まるかもしれません。


人が意思決定をするとき、理性(論理的な思考)だけ、もしくは感情だけといったどちらか一方に偏ると、冷静な判断ができなくなると、心理学や脳科学の研究では指摘されているそうです。

白黒思考の多くは感情的であることが多いため、極端な判断を下しやすいといえます。

理性をプラスして思考に選択肢が増えることで、より適切な判断をしやすくなり、結果的に自分の心が軽くなるということです。


グレーゾーンから得られた小さな成功体験

食器洗いの例は私の実体験で、後日談があります。

翌朝、体調が回復していた私は、家族を送り出したあと、残った食器とお弁当作りの汚れものを一緒に洗おうと置いていました。

すると、旦那が両方を洗ってくれました。

「私がやるからいいよ」といいましたが、「昨日やるつもりが疲れて寝てしまったから」というのです。

旦那は少なくとも、食器洗いは主婦の仕事とも、体調悪い私に気遣っていなかったわけでもなかったとわかりました。

白黒思考しかなかったら、朝からイライラを募らせて家族に当たり、そんな態度を見た旦那から食器洗いのやる気を削いでいたかもしれません。

これは、私にとって白黒つけないことで得られた成功体験になりました。

とはいえ、グレーゾーンを考えたり、その中から「こうだったのかも?」と思えたのは、体調が回復していたことが大きかったので、体調が回復していなかったらカチンときたり、ガッカリしていたと思います。

でも、それでいいと思います。

その時々の状況、自分の体調、相手の状況や体調などによって、どうなるかはわからないからです。

ただ、自分は白黒思考が強いと意識することと、グレーゾーンを考えてみることは、自分の心を穏やかに保つために不可欠であるのは間違いありません。

気持ちの余裕があるときに、グレーゾーンで考えてみる。

そして、グレーゾーンから選んだものを実行してみることで、小さな成功体験が得られたら、きっと「もっとこうしてみよう」と自分の思考を変える行動が生まれてくると思います。

おわりに

白黒思考はよくない、白黒思考をやめなきゃいけないと考えることもまた、白黒思考にすぎません。

白黒思考をやめるのではなく、ゆるめると考えると少し楽ではないでしょうか。

完全に0にしなくてもいい、70のときもあれば90のときもあるけど、30のときもあるよね。

そんなふうに自分を少しずつ解放していけるよう、これからも続けていこうと思います。







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