「あのとき、違う選択をしていたら」
そんな思いに駆られることが多い50代。
私自身は30~40代の10年間ずっと、選ばなかったほうの道に生きる自分を想像しては苦しんできましたが、50代の今は別の人生を選んでいたらと思うことはなくなりました。
過去の選択を後悔しないためには自分が選んだ道は正しかったと思い込む

今とは違う道を選んでいたらと考えてしまうのは、「選ばなかった道のほうがきっと幸せだったはず」と思うからです。
しかし、それは本当なのでしょうか。
当時はその選択が自分にとってベストだった
過去は今の自分の視点でしか振り返ることができません。
過去の自分と今の自分の決定的な差は経験です。
50代の私には経験によって培った知恵がありますが、20代や30代のときの私にはありません。
それでも20代や30代のときの私は、そのとき、最善となる道を選んでいたはずなんです。
AとBで迷っていて、「Aのほうがよさそうだけど、人生には驚きやハプニングがほしいからあえてBで!」と悪いほうを選択するような性分ではないからです。
キャリア志向だった私が選んだのは家庭に入る道
私は20代のとき、将来の自分は結婚せず、子どもを産まず、生涯キャリアアップを目指すビジネスウーマンであることが自分らしく幸せに生きる道だと信じて疑っていませんでした。
しかし、実際には30代で子どもを産み、在宅ワークをしながら家庭中心の生き方を今まで続けています。
30~40代は思い描いていた自分の人生と真逆の生き方をしている自分に対し、「間違っている」「こんなはずじゃなかった」と悩んできました。
結婚するのも子どもを産むのも、すべて自分で決めたのに、です。
30代で不安障害になったのも、自分が自分らしく生きていないせいだと思った時期もあり、別の道を選ばなかったことを本当に激しく後悔していました。
選ばなかった道の先にあるもの

結婚して子どもを産む道ではなく、結婚せず働く道を選んでいたとしたら・・
出産で歯や髪がボロボロになることもなく、寝不足で心身がズタズタになることもなく、一日中子どもの世話をしても誰にも褒められない世界から、毎朝メイクを丁寧にして、好きな服を選び、仕事で成果をあげて褒められたり、自分にお疲れさまと高級なレストランにご褒美に出かけるような世界に生きていた・・はず。
これまで私が何万回となく想像した別の道を生きる私の世界です。
でも、私が選ばなかった道の先にはそんな世界はありません。
私が選ばなかった時点で、私がキャリアウーマンとして生きる世界はこの世のどこにも存在しないのです。
別の選択をしたほうがよかったと思わせる「反実仮想」
反実仮想とは、事実や現実とは異なることを想像して「もし~ならば、~だったろう」と想定すること。
私がキャリアウーマンの道を選んだとしたら、仕事で成功して札幌の円山地区(高級住宅街)の高層マンションで優雅な一人暮らしをしていたかもしれないといった想像は、誰に咎められることなく自由なものであると同時に、仮想と現実の差に勝手に悩んだり落ち込んだりする厄介なものにもなります。
選んだ道を後悔するのは現状に満足できていないから
違う選択をした自分を見ることはできないのに、絶対的に「今よりも幸せなはず」と思ってしまうのは、今が幸せではないからです。
今が幸せなら「あのとき、別の選択をしていたら」と考える必要はありません。
過去の選択は、当時の自分が最善と思える道を選んだはず。
にも関わらず、望む生き方ができていないのであれば、それは過去の選択が間違いなのではなく、現状になにか問題があるから。
過去は100%変えられないですが、現状なら今からでも変えられる可能性はあります。
選ばなかった人生をやり直せる「ミッドナイト・ライブラリー」
世界的ベストセラーとなった小説で、日本でもロングセラーとなっています。
私は表紙とタイトルにひかれて読みました。
物語の冒頭は生きる意味を失った主人公ノーラの絶望が描かれているため、万人におすすめできる内容とはいいがたいものの、「あのときに違う選択をしていたら・・」「人生をやり直せるなら・・」と悩んでいる人に読んでもらいたい一冊です。
正しい選択をするのではなく、選んだ選択を「正しい」にする
先日、我が家ではこんなことがありました。
口コミのよいお店を見つけ、わざわざそのお店に行くために雪の日に車で遠出をしたのに、その日に限って臨時休業でやっていませんでした。
お腹が空いたので別のお店を探して入ったのですが、私は最初の目的のお店で食べられなかったことを悔み続け、一方の旦那は「最初のお店が臨時休業だったから、このお店(実際に入店したお店)を見つけられてラッキーだった」といいます。
同じ出来事でも、私にとっては「臨時休業していないか、当日にSNSでしっかり下調べしておくべきだった」と後悔し、旦那にとっては「新規のお店を開発できてよかった」となったわけです。
悔しい気持ちのままの自分だったら、なにを食べても「最初のお店のほうが絶対においしかった」など、反実仮想が広がってもっと後悔の念が強くなっていたでしょう。
でもこの日は旦那の考え方にのっかり、結果的には偶然空いていた近くのお店でおいしい料理を堪能できました。
なにを選ぶかよりも、自分の選択を後悔しないことが大切で、それができればいつだって自分の選択は「正しい」と思えるのだと改めて感じました。
正しいと思ったことを正当化していく
人には、自分が選んだことが間違っていなかったと思いたい心理があるそうです。
なんでもとにかく自分が正しい(自分は悪くない)というのは、捉えようによっては面倒な人と思われそうですが・・。
過去の選択を後悔しやすいタイプの人には肯定的に働くのではないかと思います。
自分が選んだ選択を正しいと思えるように努力をしたり行動できれば、少なくとも「本当にこっちを選んでよかったのか?」と不安になりすぎず、自分の選択に決意が生まれやすくなるはずです。
選択肢は少ないほうが後悔しにくい

私はサブウェイが大好きなのですが、サブウェイが苦手と感じる人の多くは「メニューが多すぎる」ことに不安を持っているようです。
一見すると、メニューが多いほうが自分に合うものが見つけやすくなるような気がしますよね。
しかし、アメリカの心理学者であるバリー・シュワルツは、自身の著書【The Paradox of Choice】の中で、選択肢が多いほど人は満足度が下がる心理状態「選択のパラドックス」を提唱しています。
選択肢が多すぎるとその中からひとつを選び出さなくてはならず、人は無力感に襲われるといいます。
そして、「こんなにたくさんの中から選べるのだから、ひとつくらいは自分にぴったりのものがあるだろう」と期待が膨らみ、どれをとっても「あっちのほうがもっといいのでは?」と後悔しやすく、多くの場合「自分にとって完璧なものを選べなかった」と自己否定に陥ってしまうそう。
自分の選択に後悔してしまいやすい人は、3つくらいに選択肢を絞ったうえで、選んだものを後悔しない(正しかったと思うように意識する)のがよいとのことです。
ちなみに私がサブウェイを苦手に感じない理由を考えてみたところ、いつも注文するのが決まってアボカドベジーの一択で、味や注文方法を熟知しているからかもしれません。
アボカドベジーが一番おいしいという確固たる自信があり、いつだって自分の選択が正しいと思えるからなのでしょう。
サブウェイの注文方法が複雑で怖い人はこちらを参考にしてみてください⇩
▷サブウェイの注文は怖い?めんどくさい?初心者でも注文できる魔法の言葉とセルフオーダーシステムについて解説
この道を生きるしかないと思ったら開けた本当の生き方
かっこいいキャリアウーマンとして生きる別の道など存在しないと気づいたとき、選ばなかったキャリアウーマンの人生を手放せずに胸に秘めていたような生き方をやめました。
必然的に私には自分で選んだ主婦の道、母の道しか残りません。
こう書くと生き方が狭まったように感じますが、腹が括れたというか、「この道を生きるしかない」と決意できたことで、今は地にしっかりと足を付けて生きている感があります。
また、40代以降は更年期に悩まされる自分や専業主婦の自分、内向型の自分などとも向き合うようになりましたが、その都度してきた自分の選択が、絶対的に正しくなければいけないとも思わなくなりました。
選んだ選択を正しいと思えるように行動することは大事です。
でも、その答え合わせができるのは明日かもしれないし、10年後かもしれないし、死ぬ間際かもしれません。
それならば今は、自分の決断を誰よりも自分が支持して賛成してあげることが必要だと思っています。
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まとめ
私が選ばなかった道の先は「選んでいたらきっと今よりも幸せだったはずの人生」ではなく、「先に繋がっていない途絶えた道」でしかない。
そう想像してみたら、ありもしなかった別の選択を羨ましく思うことはなくなりました。
自分の人生を「これでよかった」と思えるように、これからも前に進んでいこうと思います。
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