バターロールは初心者向けのパン教室で必ずレシピに入っていたり、オーブンレンジの取扱説明書に付いてくるメニューに載っていたりと、誰でも簡単に作れそうなイメージがありますよね。
しかし、実際にやってみると、コロンとしたかわいい形にならなかったり、段が消えてただの楕円のパンになったり・・。
私も何十回も上手くいきませんでした。
形が失敗しても味は一緒。
だけど、せっかくならかわいい形のバターロールが作ってみたいという人は多いですよね。
そこで今回は、パン作りが趣味の私が実践して身につけた、バターロールの成形のコツをご紹介します。
バターロールの成形は難しい?
バターロールの発祥はアメリカ。
老舗ホテルのドイツ人ベーカリー職人が、食卓にバターやジャムを用意しなくても、そのまま食べられるリッチな味わいのテーブルロール(食事用のパン)を提供したのが始まりといわれています。
アメリカでは半ポンド以下の小さいパンをロール(roll)と呼んでいて、バターをたっぷり使ったロールパンをバターロール、牛乳を使ったものミルクロールと呼んでいます。
と、バターロールの豆知識を挟んだところで、早速成形に移りましょう。
最初に抑えておきたいポイントは3つ
- 生地はしっかりと寝かせる
- バターロールの形は巻き始めの横幅で決まる
- 生地の厚みに差を作り、段を綺麗に出す
成形が上手くいかないなと思ったら、ここに立ち返ってみてくださいね。
手順とコツ
生地はお好みのレシピで一次発酵後、分割して丸め、ベンチタイムをとってください
生地の片側半分に手のひらを置いて転がすと、しずく型になります。
バターロールの成形に失敗しやすい理由に、生地の発酵が十分ではない点があります。
一次発酵後のベンチタイムはもちろん、しずく型にしたあとも、すぐにめん棒で伸ばさずにちょっと時間を空けてください。
うまくいかないときは生地を休めると、成形が楽にできます。
伸ばしやすいように生地を縦置きにし、生地をめん棒で伸ばします。
生地は全体を均一に伸ばすのではなく、上下に分け、上は数回めん棒を転がしてやや薄めに、下は1~2回転がしてやや厚めに伸ばしてください。
こうすることで、焼き上がりに表面になる下部分の段がしっかりと出るのでかわいい形になります。
しずく型の生地を伸ばすときは、下にいくにしたがって、少しずつ幅が狭くなる程度(寸胴)でOKです。
しずく型にして成形すると、巻き始めと終わりの生地の幅が開きすぎてしまい、横に長く見えるバターロールになります。
上と下の生地の幅の差が少ないほうが、実際に巻いてみると程よい幅の段ができます。
芯になる部分は2重に、やや強めにしっかり巻きます。
その後は生地を締めすぎず、くるくると巻いていきましょう。
上と下では生地の厚みが違うので、そのまま最後まで巻いてしまうとややアンバランスな仕上がりになります。
そこで、生地の下部分を手に持って少しひっぱりながら巻くと、生地が適度に伸び、上との生地の厚みが開きすぎません。
※巻きが緩すぎると、生地が過発酵して綺麗な段ができないので注意です。
また、最終的な焼き上がりは、芯の横幅が1.3~1.5倍くらいになります。
横が長すぎると、のっぺりとしたバターロールになるので、成形の段階で長いなと感じたら手で押しこんで幅を調整しましょう。
2段だとのっぺり、4段だと高さが出すぎてしまうので3段がベストです。
段が多い場合、生地を薄く伸ばしすぎている可能性があります。
そのまま焼くと段の境目が消えてしまい、かわいくならないので注意してください。
半分に割ってみました
生地が綺麗に渦を巻いて、なおかつ空気も入っているので、食べるとふんわりもっちりとして、甘みや香りがしっかりと伝わります。
朝からなにも食べずに作っていたので・・
生地だけでも甘いのに、ピーナッツクリームトッピングしてぺろり。
焼きたてを食べられるのが、自家製パンの醍醐味ですよね。
まとめ
- 生地を伸ばすときはしずく型ではなく寸胴型
- 巻き始めの幅が長くなったら、手で押しこんで短くしてみましょう
- 3段巻きがベスト
段が綺麗に出ないときは、上から半分に切れ目を入れて、レタスやハム、きゅうりを挟んでバターロールサンドにしてしまいましょう。
上手くできなかったバターロールでも味はおいしいですから、「次はもうちょっと頑張ろう」って力をくれますよ。
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