界隈ではお馴染みのマスターは、KPOPの象徴ともいえる独自の文化ですが、最近KPOPにハマった人だけではなく、長くKPOPを推していても「マスター(の存在)がよくわからない」という人は多いのではないでしょうか。
K-POPオタク14年の私が、知り得る限りのマスターについての情報をご紹介します。
- マスターはなにやっている人なのか知りたい
- マスターになる方法を知りたい
- マスターとの向き合い方を知りたい
K-POPアイドルは日本でコンサートを開催しますが、やはり本場・韓国は熱気が違いますし、ファンサービスも日本のとは異なります。また、KPOPアイドルはファンと直接やりとりができるツールを使って、身近な存在に感じられるのも魅力のひとつ。
そのため、韓国語を覚えておくと推しと会話ができるチャンスも!
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マスターとは推しを撮影してグッズを製作しているファン
マスターは、正式にはホームページマスターといい、韓国ではそのまま略してホムマ(홈마)と呼ばれています。
日本では、マスターさんやマスタニム(ニムは様という意味)と敬称をつけて呼ぶ人もいます。
※当記事ではKPOP用語がよく出てくるので、こちらもお読みいただくと意味がよりわかりやすくなります

会員制ホームページの管理人
ホームページマスター=ホームページの管理人や運営者という意味になるのですが、ホームページといっても日本で一般的に想像するのとはやや様子は違います。
というのも、韓国には長らく公式ファンクラブの概念がなかったため、ファンはカカオ(韓国のインターネット会社)が提供していたダウム(ポータルサイト)にあるペンカペ(日本語ではファンカフェ)と呼ばれる掲示板で交流や広報交換をしていました。
そして、多数の会員を抱えているペンカペについては、事務所側もその存在を把握していました。
ペンカペには正会員・準会員のランクがあり、正会員になると一般募集されない音楽番組の収録やサイン会の応募などが行えます。
これは、音楽番組の収録やサイン会の情報を事務所からペンカペのマスターへと流していたからからです。
また、ファンに「正」と「準」のランクをつけている理由には、コア層とライト層の選別などの目的もありました。
長く推しを応援している人は、新規のファンよりも優遇されるべきといった価値観があったのかもしれませんね。
こうした背景から、ペンカペの正会員になるには、かなり厳しい審査をクリアしなくてはいけません。
事務所とつながりが強いペンカペほど試験は難解を極め、なかなか合格できませんでした。
推しに対する真剣度が高くなければ上位会員になれず、そして、そんなコアなファンが集まる場所を管理している人がマスターなのです。
推しの写真や動画をSNSにアップ

マスターはそもそも掲示板の管理者という立場で、いってみればファンのひとりにすぎません。
なぜマスター「ニム」と敬称で呼ばれるのか、理由がわからない人は多いのではないでしょうか。
それはマスターの活動内容を知ると少し理解できるかもしれません。
マスターに明確な定義はありませんが、現在のK-POPファンは、SNSの個人アカウントで推しの画像や動画をアップしている人という認識を持っているのが大半です。
その流れには次のようないきさつが関係しています。
韓国では、今でこそK-POPが世界的に知られるようになり、アイドルの存在が大きく注目されていますが、20年くらい前まではアイドルを取り扱うコンテンツの量が少なく(韓国では日本のように幅広い世代がアイドルのファンにならず、10代の女の子がごく限られた時期にしか熱中しないため、あまり商売にならなかったというのが理由)、公式から提供される写真は多くありませんでした。
そこでマスターは、自身の掲示板に推しの写真を掲載するため、コンサート会場やイベント、空港などで写真を撮り始めたのです。
韓国では写真を撮るオタクを찍덕(チクトク)と呼び、찍덕のなかでも高級レンズを備えて本格的に撮影に力を入れている人は대포(テポ=大砲)などと区別されています。
こうして、「写真を撮る人=マスター」というイメージがつきました。
マスターは掲示板に掲載した写真を通して、推しの素晴らしさをファン同士で分かち合うだけではなく、少しでもたくさんの人に知ってもらいたいと、より人の目に触れやすいSNSにもアップするようになりました。
掲示板に比べて拡散されやすいSNSに掲載すると、狙い通りに推しのファン以外の取り込みに成功。
それだけではなく、いい写真を撮るマスターにはマスター自体にファンがつくようになりました。
それに伴って、人気のマスターが撮るアイドルの知名度も上がっていきました。
マスターが撮った写真がバズって売れた、なんてアイドルも存在するほどです。
K-POPが広く世界に知られるようになったのは、マスターが撮影した写真や動画が大きな力になったのは間違いありません。
自作のグッズ製作
かつて、KPOP界隈では有料のコンサートがスタンダードではありませんでした。
その理由には、韓国内にはそもそもコンサートが開催できる会場が少ない上、日本のようにファン活動の一環として、そもそも有料コンサートに行く文化が根付いていなかった点があります。
有料コンサートは韓国でも大御所とされる大物ミュージシャンが、ある一定の年齢層(自由にお金を使える年代)のファンを持っていることで成り立つものでした。
ファンの中心が10代のKPOPアイドルは、有料コンサートを開いても人が集まらず採算がとれません。
そこで多くは企業協賛の無料の合同コンサートを開催し、複数のアイドルが持ち時間のみパフォーマンスをする形をとっていました。
応援するアイドルが違うファンが一斉に集まるわけなので、「私の推しが一番!!」とバチバチになり、ファン同士がひと固まりになれるように座席を手配し、さらにステージにいる推しに「あの場所は僕たちのファンだ」とわかるようにとスローガンやうちわ、タオルなどを揃えるようになりました。
公式のファンクラブがなく、コンサートで推しを応援するお揃いのグッズがなかったマスターは、それならばとグッズを自作するようになりました。
当時は自作したグッズは無料配布され、グッズを製作するための資金はカンパが主でした。
衣食のサポート
KPOPアイドルの練習生時代は、生活費やレッスン費を事務所が負担します。
そして、デビュー後は育成にかかった費用はMVなどの製作費やプロモーション費用などと合わせて精算され、差し引いた金額がギャラとして振り込まれるのが一般的です。
デビュー曲が爆売れしてすぐに返済できればいいですが、そんなグループは稀で(NewJeansはデビュー2ヵ月で完済!)、デビュー後は数年単位で返済を払い続けるケースが多く、そこそこ売れていてもお金に余裕がないアイドルは少なくありませんでした。
テレビ局の入りや空港でいつも同じ服で登場する推しを見かねたマスターは、最新ブランド服やバッグ、靴なんかをプレゼントするようになりました。
世界に拡散される推しの姿が、少しでも輝いて素敵に見えるようにと思ってのことです。
また、音楽番組の収録が長時間になりがちな韓国では、食事を提供するマスターも現れました。
日本では番組出演時にはその番組から食事が提供されますが、韓国では基本的にテレビ局からの提供はありません。
事務所が資金難の場合、アイドルは食事がない状態で長時間の収録を行ったりしていたので、マスターがファンに呼びかけてお金を集め、お弁当などを届けるようになりました。
韓国には挨拶が「ご飯食べた?」というほど、食を大事にする文化があります。
推しがお腹空いた状態で仕事なんてあり得ない、と思う気持ちが強いのが韓国人のファンです。
現在も食事のサポートを行っているファンカフェはありますが、必ず事務所からの許可が必要で、現場などによっては禁止されるケースもあります
ここまで読んでいただくと、マスターが敬称で呼ばれている理由が理解できたのではないでしょうか。
推しのための衣服や食事の提供は、自らの貯金を切り崩してマスター活動を行っていた人が多く、ファンからするとまさに神様のようなマスター様だったのです。
マスターになる方法は?
マスターは特に資格や許可が必要ではありません。
「私は今日からマスター」と思えば誰でもなれますし、日本人でもなれます。
とはいえ、周囲があなたをマスターと認識するかどうかは別の話。
大手マスターはフォロワー数が桁違いに多く、推しに名前や顔を知られている人も少なくありません。
推しに認識されているマスターは、ファンにも周知されやすく特別視されやすいですが、こうしたファンの誰もが知っているマスターになるには、コンサートやイベントは国内外問わずいつも帯同し、より多くの写真のアップし続ける気力と体力、そして財力が不可欠です。
K-POPの浸透によりマスターに憧れを持つ日本人は多いですが、現在は日本のファンが「マスターニム」と呼ぶことに、韓国のファンからは反感が出ている現状を把握しておくべきでしょう。
マスターはもはやファンではない?マスターとの向き合い方について
マスターは事務所から撮影の許可を得ているという情報がありますが、それは誤りです。
アイドルの肖像権を自ら放棄する事務所はどこにもありません。
それは今に限らず以前からそうでしたが、一方で事務所にとってマスターは自社のアイドルの広報を勝手に、しかも無償で行ってくれるありがたい存在だったため、これまで長い間、韓国ではマスターによる撮影が黙認されてきたのです。
しかし、日本に広く浸透したKPOPは、反対に日本のアイドル業界が長く培ってきたシステムを逆輸入し、公式ファンクラブの立ち上げやグッズの販売などを事務所自らが行うようになりました。
そうなると、自社のアイドルの画像を勝手に使ってグッズなどを販売するマスターは、自分たちの商売を脅かす存在でしかありません。
大手事務所はブラックリスト入りしているマスターを公表しており、マスターから写真やスローガンなどのグッズの購入をしないように注意喚起をしています。
純粋な気持ちが独占欲などに変化
韓国の芸能事務所の価値観の変化以外にも、マスター自体が時の移ろいと共にその存在を変化させてきた流れもあります。
たとえば、サポートの始まりは純粋に応援したい気持ちだったり、善意だったりしたはずが、ファンが増え、他のマスターが現れるようになると、「私の方が推しを愛している」と誇示したがる人が出てきました。
推しの誕生日に贈るプレゼントは高級ブランド品ばかりになり、それも1つや2つじゃ見栄えがしないからと、ショッパーを10個も20個も並べた写真をSNSにアップ。
総額が200万とか300万とかのレベルです。
推しのサポートを続けるのにお金が必要になったマスターは、それまではファン同士で「かっこいいよね」と楽しむために撮っていた写真を使って、グッズや写真集、カレンダーなどを作り、販売して費用を稼ぐようになりました。
しかし、マスターと事務所の持ちつ持たれつの関係が長く続いていた韓国では、いくら公式が注意喚起をしても撮影やグッズ製作を止めないマスターがいるだけではなく、「アイドルの写真を無許可で撮って、グッズ販売しちゃえば儲かるじゃん」と考える人を増やしてしまい、今や商売としてマスターをやっている人がいる現状を招いていました。
販売目的の人はそもそも推しを応援する気持ちがなく、お金を稼ぐことのみを目的にしているので、よりレアな写真を求めて四六時中アイドルを追いかけ回したり、プライベートまで侵入するなど、事務所やアイドルが深刻な被害を訴えるケースが少なくありません。
こうした流れから、現在韓国ではマスターを「様」呼びすることに拒否感を持つファンが少なくないのです。
マスターからグッズを買うと違法になる?
肖像権や著作権の認識が広まってきた韓国芸能事務所では、写真撮影や、撮影した画像を利用したグッズの販売を厳しく取り締まっています。
これは、撮影したりグッズを作っているマスターだけではなく、それらを購入した人も対象です。
せっかくの推し活で犯罪に加担してしまうことのないよう、マスターの取り扱う商品は購入しないように自衛を行うことも大切です。
まとめ
- そもそもは推しの写真を撮るファンサイトの運営者
- マスターは自己申告制なので本人が「私はマスターやってます」といえばマスターにはなれるが、周囲は認知するかは別
- 撮影した写真はファン同士で楽しむ分には黙認されていたが、商品として販売する人が現れ、現在は多くの事務所が厳しく取り締まっている
- マスター=ファンとは限らず、商売で行っている人もいる
時代とともに、マスターに対する概念や視線は変化しています。
日本では必要以上にマスターを崇める傾向にありますが(ニム呼び然り)、現状はグレーゾーン、もしくは完全にアウトの活動をしている人がいることを、KPOPファンとして心に留めておく必要があるでしょう。
K-POPアイドルは日本でコンサートを開催しますが、やはり本場・韓国は熱気が違いますし、ファンサービスも日本のとは異なります。
また、KPOPアイドルはファンと直接やりとりができるツールを使って、身近な存在に感じられるのも魅力のひとつ。
そのため、韓国語を覚えておくと推しと会話ができるチャンスも!
韓国語教室には複数のグループで講義を受けるところもありますが、短期間でスキルアップするなら個別レッスンがおすすめです。
日本人スタッフがいればサポート体制も万全ですよね。
まずは無料体験レッスンを受けて、教室や先生の雰囲気を体感してみましょう。

羽田からソウル(金浦)までは飛行機で2時間半。
国内へ行くよりも早い・安い韓国旅行で、現地の人と直接触れ合ってみるのもおすすめです。
K-POPアイドルファンには避けて通れない7年目のジンクス。
こちらについても詳しく書いているので、よかったら読んでみてくださいね。

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