インフルエンザに罹患し、病院に行ったときのこと。
発熱外来で検査待ち→検査→結果待ち→診察まで約1時間、会計に進んで病院を出るまで1時間。
しかたのないことですが、体調不良の中順番を待っているのはつらいですよね。
そこからさらに、調剤薬局で薬が出るまで待つのか~・・と思っていたら、薬剤師さんから教えてもらったお薬手帳アプリがとても便利でした。
意外とまだ知らない人も多いようなので、シェアしたいと思います。
お薬手帳アプリとは?
お薬手帳アプリは電子版のお薬手帳で、スマホのクラウドで情報を管理し、従来の紙で記録するお薬手帳と同様に使えます。
そもそもお薬手帳とは、処方された薬が記録された紙媒体の手帳のこと。
お薬手帳には処方薬の記録だけではなく、薬局などで自分で購入した薬やサプリメント、既往症、アレルギーの有無、粒が大きく飲みにくかったなどのメモを書くことができます。
医師や薬剤師はお薬手帳の情報を元に、薬の飲み合わせや副作用などに関して疑問があれば、双方で連絡を取り合うなどしています。
患者自身による既往症などの記載がなくても、服用している薬から病気を推察したり、重篤なアレルギー反応を招く処方を中止するなどの措置がスムーズになるため、お薬手帳は受診時に持参する必要があります。
どのお薬手帳アプリを使えばいいの?
お薬手帳アプリは2012年に開始されてから、現在までさまざまな事業者が参入していますが、すべての薬局が対応可能ではありません。
そのため、まずはお薬手帳アプリを利用したい薬局、またはかかりつけの薬局がお薬手帳アプリに対応しているか確認が必要です。
さらに、薬局によって利用できるお薬手帳アプリが違うので、かかりつけの薬局が対応しているお薬手帳アプリをダウンロードする必要があります。
一例ですが、以下にお薬手帳アプリと機能を簡単に表にまとめてみました。
上の2つの条件を満たし、なおかつ利用したい機能が搭載されているお薬手帳アプリを選べば使いやすいのではないかと思います。
お薬手帳アプリ名 | 運営事業者 | 特徴と機能 | URL |
EPARKお薬手帳 | 株式会社くすりの窓口 | ・利用者数500万人突破 ・android/iPhone対応 ・処方箋送信機能 ・マイナポータル連携 | https://okusuritecho.epark.jp/renew/ |
お薬手帳プラス | 日本調剤株式会社 | ・利用者数255万人 ・android/iPhone対応 ・チャットボットの利用(会員登録が必要) ・オンライン服薬指導 ・処方箋送信機能 | https://portal.okusuriplus.com/ |
eお薬手帳3.0 | 日本薬剤師会 | ・android/iPhone対応 ・自動登録機能 ・処方箋送信機能 ・服薬アラーム | https://www.nichiyaku.or.jp/e-okusuri3/ |
つながる薬局 | 株式会社ファーマシフト | ・android/iPhone対応 ・LINE登録だけで利用が可能 ・全国5,500以上の薬局の利用可能 | https://psft.co.jp/customer/ |
参考:厚生労働省「電子版お薬手帳サービス一覧」より
e薬Linkに対応しているお薬手帳アプリがおすすめ
ダウンロードしたお薬手帳アプリはかかりつけの薬局では利用できても、外出先などいつもと違う病院や薬局では使えない可能性があります。
そのような万が一に対応できるのがe薬Linkです。
e薬Linkは日本薬剤師会が考案したもので、e薬Linkに対応しているお薬手帳アプリであれば、患者の同意の元、データが保存されているサーバーにアクセスし、服薬履歴や既往症などを確認できるので安心です。
ちなみに、上記で挙げた4つのお薬手帳アプリはどれもe薬Linkに対応しています。
詳しくは、日本薬剤師会「e薬Linkに対応している電子お薬手帳一覧」を確認してください。
お薬手帳アプリの利用は簡単にできる
「App Store」または「Google Play」にアクセスし、ダウンロードしたいお薬手帳アプリの名称を検索、インストールします。
この後の操作方法はお薬手帳アプリによって多少違うので、画面の指示に合わせて入力や選択をしてください。
なお、各お薬手帳アプリのサイトでは、ダウンロードから実際の利用までの方法を詳しく動画などで解説しているところがあるので、見ながらやってみると簡単にできます。
例▷EPARKお薬手帳アプリの利用方法
▷日本調剤「お薬手帳アプリプラス」の利用方法
▷ダウンロード不要LINE登録で利用できる「つながる薬局」
お薬手帳アプリはどうやって見せるの?
お薬手帳アプリの見せ方は、主に次の3つの方法があります。
- スマホで該当の画面を開いて直接見せる
- アプリ内で発行したワンタイムパスコードを薬局に伝えてアクセスしてもらう
- アプリ内で発行したQRコードを薬局の端末で読み取ってもらう
お薬手帳があると医療費が安くなる?
3ヵ月以内に同じ薬局で処方してもらう、3割負担の人は40円程度会計が安くなります(※)。
これは、薬剤師が患者に行う「薬剤服用歴管理指導料」が、お薬手帳を持参している場合と持参していない場合では設定金額が変わるためです。
(※)診療報酬の改定は2年ごとに行われるため、4月1日の切り替わりのタイミングでは条件や金額などに変更があります。
お薬手帳アプリのメリット
お薬手帳アプリは紙のお薬手帳と同じように処方された薬の管理や履歴の確認以外にも、アプリの特性を生かしたさまざまな使い方ができます。
処方箋送信機能で待ち時間が短縮
スマホで撮影した処方箋の画像をアプリを通じて送信すると、予約時間に行けばスムーズに薬が受け取れたり、受け渡し可能の時間になるとメッセージが送られてきます。
私が受診したときは調剤薬局の待合室が満席の状態で、「ここで長時間待つのはしんどいな・・」と挫けそうになったのですが、薬剤師さんからアプリを教えてもらい即登録しました。
駐車場の車の中で休んだり、家が近ければ一旦帰宅して連絡を持つのもよし、買い物などをして時間を潰してもOK。
実際使いましたが本当に便利です。
病院で処方箋をもらってすぐに送信すれば、後は取りに行けばいいだけなので精神的な負担がかなり軽くなりました。
お薬手帳の持参忘れがなくなる
私は病院へ行くのは1~2年に1回のペースなので、毎回紙のお薬手帳を持参するのを忘れてしまいます。
紙のお薬手帳は調剤薬局ごとに発行が可能なので、
薬局「お薬手帳ありますか?」
私「あ!・・持ってきてません・・」
薬局「それでは新しく作りますね」
のパターンで複数持ちの状態。
これではお薬手帳を作成する意味がありませんよね。
スマホで管理のお薬手帳アプリなら、持参し忘れることがほとんどなくなるだけではなく、旅行先や災害時などで急病になった場合でも薬の服用履歴や持病などの情報が医療機関・薬局で閲覧できます。
便利で役立つ機能を多数搭載
- 薬の飲み忘れを防止するアラーム機能
- 病院や薬局への通院履歴や医療費などの記録ができるカレンダー機能
- 薬の情報の自動連携機能
- マイナポータル連携機能
- オンライン服薬指導機能
- 体重や血圧、体調などをメモできる健康記録機能
など
利用するお薬手帳アプリによって使える機能は違うので、利用したい機能が搭載されているか確認した上でダウンロードするのがよいでしょう。
家族の情報を同時に管理できる
紙のお薬手帳は本人に1冊の発行が基本になりますが、お薬手帳アプリはアプリ内で家族全員分の管理が一括で行えます。
また、登録する家族は同居していなければならないなどの規定はないので、離れて暮らす親や子どもなどの情報もスマホひとつで管理できます。
お薬手帳アプリのデメリット
お薬手帳アプリはメリットだけではなくデメリットもあります。
両方をしっかりと確認した上で、メリットがデメリットを上回ると感じたら使うのがよいでしょう。
スマホが苦手な人には操作が難しい面がある
お薬手帳アプリを活用するには処方箋を撮影した画像を送信したり、薬の情報の入力などを自分で行わなくてはいけないので、スマホに不慣れな人や苦手意識があると導入は難しいかもしれません。
特に高齢の方はこうした傾向は顕著にあるので、本人は紙のお薬手帳を利用して、家族がお薬手帳アプリを利用するなど臨機応変な対応が必要になります。
通信料がかかる
お薬手帳アプリはダウンロードや基本的な機能の利用は無料なところが多いですが、アプリの利用によって発生する通信料は別途必要になります。
特に処方箋の送信時には通信量が多くなるので、一切のサービスをすべて無料で受けられるというものではありません。
通信環境が悪いと使えない場合がある
オフライン時でもデータを確認できる機能がついているアプリを除き、電波状況が安定しないところでは使用できなくなる可能性があります。
災害時は通信障害が起こりやすいのですし、スマホのバッテリーが切れてしまえば、アプリを開くことはできないので、お薬手帳アプリをダウンロードしていれば万全ということではありません。
サービスが終了する可能性がある
これまでにも、すでにいくつかのお薬手帳アプリがサービスを終了しています。
しかし、旧から新へのリニューアルであったり、新しいアプリであってもデータの移行方法などがサイトに掲載されているので、手続きは必要ですが継続して使えるケースが多いようです。
また、マイナポータル連携のお薬手帳アプリなら、別のお薬手帳アプリに簡単に再連携できます。
まとめ
私は今のところ、持病などで定期的に通院しているわけではないため、お薬手帳アプリをダウンロードしても使用頻度は少ないです。
とはいえ、体調不良で一刻も早く自宅に戻って体を横にしたい状況で、薬ができるのをただひたすら待つ時間を省略できるのはとてもありがたいです。
年齢的に「紙で済ませられるなら紙でもいいかな」とつい考えてしまったりするのですが、世の中は今後ますます電子化していくでしょうから、今のうちから慣れておくのも大事かな、と。
楽したい気持ちでお薬手帳アプリを導入したのをいいきっかけに、上手く活用していきたいと思います。
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